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★★トノサマバッタ (バッタ科 日本全土 体長♀5㎝ ♂3、5㎝ 荒れた草地を好む)

2007・8・7 「多摩動物公園・昆虫館」
緑色型、個体相
2007・8・7 「多摩動物公園・昆虫館」
黒色型、群集相
  

 とのさまバッタ

増えすぎたとじゃなかろうか。
どっちば向いても仲間ばっかい。
移動せんばいかんとじゃ。

このままじゃ、九州バッタ王朝は崩壊すっ。
しかたんなか。
増えすぎは滅亡のもとたい。
なんでんかんでん食いつぶさんば。

よそさんいかんば。
九州バッタの純血はどぎゃんなっと。
そぎゃんことにかまっちゃおられん。
早う黒うならんば。

ゲリラにならんば!
スマートにならんば!
羽根ば長うなさんば!
獰猛にならんば!
一団にならんば!
飛んで飛んで死ぬまっでん飛ばんばー!


  ~~「西沢杏子詩集「虫の落とし文」より~~

  緑のとのさまバッタ

 緑のとのさまバッタのトラウマは
 うんちです
 ここまでの話ですが

 彼は幼少のころ仲間のうんちに触りました
 〝仲間のうんちに触ったものは
  褐色に成長しなければならない〟
 これがとのさまバッタの掟

 なのに
 彼は緑色 彼は緑色
 触ったくせに 触ったくせに

 緑色のとのさまバッタは
 だから 彼女に触れない

 さ と触っただけで さびしさが倍になる
 は と離れると そのまた倍もさびしくて

 だから 彼はどんどん緑色
 どんどんさびしいトラウマ人生


        ~~「西沢杏子詩集「虫の葉隠」より~~